
部屋に冷房を入れ、元気そうな顔で出迎えてくれたすぎやん。
暑いせいもあり、ここのところはあまり外出していない様子です。
でも、去年までは午後の暑い時間帯でも日陰で過ごしていることが多かったことを思うと、様子が変わったなぁと思います。
「足の腫れ、引いたやろ?」
最近口にする、お決まりのセリフです。
左足が腫れるようになって、ずいぶん時間が経ちました。右足まで腫れていた一時期よりは、確かに状況は改善されました。
ただ、左足の状態はまだまだです。
2年前の様子

現在の様子

「引いたとは思うんやけど、足首が割と細いから、腫れが目立つんや」
「そうや、すぎやんは足がスマートや、ってスタッフが言いよる」
そこに食いつきますか。
ところで、「昔、婚礼家具運搬作業に行き、作業終了後にお客さんと一緒になってどんちゃん騒ぎをしていた」という話を、以前からよく聞かされていました。
大型トレーラーを運転していた、という話も聞いていました。
ただ、「すぎやんは結局、何の仕事をメインに任されていたのか」ということが、私には今ひとつわかりませんでした。
で、この日いろいろ聞いてみました。
油断すると、「わしは何でもやった。婚礼なんかはベテラン社員が行かんかったら、段取りがわからんからあかんのや」などという自慢モードに陥るすぎやんから詳細を聞くのは、非常に骨が折れました。
小型から超大型まで、いろいろな車に乗ったようですが、一番多かったのが「10トン車での配送」だったらしいです。
「手が空いている時には、駅の小荷物を運んどった。(昭和20年代後半には)オート三輪で薪やら練炭やらを運んで、全身真っ黒けになったもんや」
免許取得前は、自転車で小荷物を配達していたこともあったとのこと。
「もしかして隙間から、みかんとかりんご、ちょろまかしたとか?」
「・・・たまにな。そやけど配達に行ったら、(その場で)ようもろた」
いい時代です。
「明治製菓とかに返品になるお菓子を、よう取ったわ」
「はい? どうやって?」
「どっかから明治製菓に返品になるお菓子があったんや。ちょっと割れてたりするだけやから、上等や。そやから箱あけて、会社のみんなで取ったわ。受け取る方も全然チェックしよらへんから、わからへん」
在庫管理が徹底されている現代では、まず考えられません。
一番楽しかったらしいのが、婚礼家具運搬作業。
作業終了後には、ごちそうやらお酒やらがふるまわれ、帰りにはお土産も持たされ、チップまではずんでくれるというので、希望者多数。
そのため、交代で順番が回ってきたそうです。
当然のごとく、帰り道は飲酒運転。でも捕まったことはないそうです。
「婚礼は、積み込み方が難しいんや。人に見せるように、タンスは背中合わせに積む。その合間に、布団やら長持やらをうまいこと積んで、最後に三面鏡や。紅白の布のかけ方も、コツを知ってんとでけへん。嫁入り先に荷物を運び入れる時は、最初に三面鏡を入れなあかんかった」
三面鏡が女性の象徴とされていた時代の風習です。
こういった仕事は、すぎやんが40代を迎えた頃にはなくなってしまい、その後は引っ越し作業だけになってしまったようです。
すぎやんの現役時代が、こういうおおらかな時代で本当によかったと、つくづく思います。
JUGEMテーマ:それでも続く日々……の中で。