2007年4月1日のすぎやん

2007年4月1日のすぎやん


施設主催の花見が開催されました。

車で数分の所に、桜通りという道路があるのですが、その両脇には遊歩道が整備され、桜の木が植えられています。桜の季節になると、地元の方がたくさんお花見され、屋台も出ており、市内でも有数の桜スポットです。
すぎやんの施設でも、毎年ここで花見(桜の木の下で弁当を食べる会)が催されています。

施設の車で運んで下さるとのことだったのですが、すぎやんはこうのたまわれました。

「歩いて(私に押してもらって)行く。あんなやつら(痴呆症の方)と一緒に乗るんは、いやや」

この日は、施設1階に居住する方たちだけのお花見でした。
今にも泣き出しそうな空模様で、少し肌寒く、桜もまだちらほらとしか咲いていませんでした。

認知症の人や、ちょっとお行儀がよくない人が少なからずおられるのですが、そういう方たちと同席するのを、すぎやんはものすごく嫌がります。スタッフもその辺はよくわかっておられるので、少し離れた場所に席を作って下さいました。そこで2人で仕出し弁当を食べました。

でもすぎやんは、花より団子。団子より発泡酒。
弁当は半分くらい残していましたが、支給された缶ビールを、げろげろ言いながらも「うまい、うまい」と言いながら、2本平らげました。

弁当を食べながら、2人でマンションのこと等をいろいろと話しました。
数日前にマンションへの引っ越しを済ませ、前の家を正式に買い主さんに引き渡したのがこの前日。ですから、部屋は全く片付いておらず、正直私もくたくたです。
でもすぎやんからは、マンションへ連れて行ってくれと何度も懇願されました。

「外観だけでも見たいから、頼むわ」
「ちょっと待ってって。せっかく行って、外観だけ見て帰るなんて、愛想ない。来たら中に入ったらええやんか」
「いつや。今週か、今月か、来月か」
「だから、まだわからんって。部屋は片付いてないし、仕事の都合もあるし」

これの繰り返しで、少々疲れましたわ。




2007年4月8日のすぎやん

2007年4月8日のすぎやん


風邪気味の様子が長く続いています。今日もまだ不調のようで、加湿器が置かれていました。暖房も暑いくらいに効いています。言葉もやや聞き取りづらく、何度も聞き返しました。

体の調子が悪い時は、無理せずきちんとスタッフに言うようにと、何度も念押ししました。
「わかった、もう言うな」と言っていましたが、やっぱり言わないんだろうな。

今回の引っ越し関連の写真をノートパソコンに入れて、すぎやんに見せました。私がパソコンなどを持ち込んだのははじめてのことだったので、すぎやんは「お前もパソコンやるんか」と、いたく感心していました。

すぎやんが一番反応したのが、前の家の外観写真。「よう撮れてる」と、えらく誉められました。また、部屋の写真を見て「残念やな、もったいないな」と何度も言っていました。

「おおきに。見せてもろうたから、納得したわ」

ただ、前の家の印象がまだ強く、私が近くに越してきたということが、まだ実感として染みついてはいない様子で、私が住んでいる場所がどこなのか、少々混乱しています。




2007年4月15日のすぎやん

2007年4月15日のすぎやん


前日に、施設スタッフのWさんからお電話をいただきました。

すぎやんの体調不良は相変わらずで、食事をしなかったり、発泡酒を飲まない時もあるらしいのですが、原因は風邪ではなく、てんかん(けいれん)止めの薬の副作用の影響ではないかとのことでした。要するに、薬が効きすぎているということらしいのです。
今は、てんかん止めの薬の量を調整したり、ボルタレン錠(熱を下げ、痛みや炎症を抑える薬)を止めたりしており、しばらくは主治医の先生と連携を取りながらやっていきますとのことでした。

原因がわかりかけてきたので、やっと安心しました。

施設に行くと、施設長のOさんと遭遇。
痴呆症の利用者さんが、すぎやんのいない間に勝手に入室したため、いつものように怒鳴りまくっていたらしいのです。
部屋の合い鍵を渡して、自分で開け閉めさせた方がいいのかな、でも鍵をなくしても困りますしね、などと相談し合いました。

ベッドに横になっていたすぎやん、案の定、軽い興奮状態です。

「部屋の扉開けて、今日はバックで入ったんや。その方が(鍵をかけるのに)便利やからな。部屋に入って鍵かけて、そのままバックで入ってふっとベッドを見たら、おばんが寝とんねん。びっくりするで。『こら、何しとんねん』って怒鳴ったった。職員、走ってきよったわ」
「そらな、気持ちはようわかるで。びっくりするわ。そやけど、相手はなんぼ言うてもわからはらへん。そんな人を相手に怒鳴って、自分が血圧上げてしんどなって、頭の線がぷちっと切れたら、損やん。そんな怒鳴ったら、あかん」
「そやかて、こんな性格やから、ぽっと口に出てしまう」
「誰も、我慢せえ言うてない。私は我慢してほしいないし、ぶつぶつ言うなとも言わへん。怒るのは当然や。そやけど、その怒鳴るのだけは何とかやめな。他の人がびびらはる。言うんやったら、職員の人に言いや」

そんなやりとりを数回繰り返し、少し落ち着いてきたのか、あまりよくなかった顔色もましになりました。
そして、前日にスタッフに買ってきてもらった焼きそば「UFO」を、「腹が減ったから食いたい」と言い出したので、スタッフに作ってもらいました。
「これ、うまいで、いけるやろ」と5〜6回聞かされながら、2人で半分ずつ食べました。

そして、100均で購入した回転台をテレビの下に置き、テレビの角度を変えられるようにセットしました。これにはすぎやん、いたく感動。

「これ、ええわ。お前やっぱり、頭ええな。『うちのテレビ、回転式やぞ』って、職員に言お」

お褒めにあずかりました。




2007年4月22日のすぎやん

2007年4月22日のすぎやん


私が部屋に入るなり、自分の言いたいことをうわーっとしゃべりだすすぎやん。何がなんだかわからず、ちょっと切れそうになる私。
「(痴呆症の)おばんがうるさい」という言葉を、10回以上は言っていたと思います。

冷蔵庫の上に、衣服がたたんでおいてありました。洗濯物が戻ってきたのかと思い片付けようとすると、すぎやんが遮ります。

「風呂の準備、してあるんやんけ」
「今日は日曜日。昨日、風呂に入ったやろ?」

すぎやんの入浴日は、月・木・土曜日です。

「・・・そうか、わし、あほやな。今日は遅いな、思っとった。なんぼ待っても来よらへんと思うとった」
「風呂は明日やから、また明日、風呂の準備しいな。このベスト、どこに直すん?(注:関西では「片付ける」ことを「直す」と言います)
「それは、そこのあいてるハンガーに・・そのハンガーは、たこ先生(リハビリ担当の先生)のんや」
「今日はもう来はったんとちゃうん?」
「たこ先生、部屋に入ってきたらすぐ上着脱ぎよんねん。そやから・・」
「一週間後のために、あけとくん?」
「そやから、そこにかけといて」

自分の言いたいことだけどんどん言うので、話がなかなかかみ合いません。

落としてもすぐわかるよう、山のように小さい鈴をつけて部屋の合い鍵を渡しました。先週、「合い鍵、持つ?」と確認すると「持つ」と言っていたのですが、すっかり忘れていたようです。
「なくさんときや」と何度も念を押すと、「わかってるわい」と怒られました。




2007年4月29日のすぎやん

2007年4月29日のすぎやん


天気もとてもよくて暖かいし、特別体調が悪いようでもないので、声を掛けました。

「マンション、行く?」
「行く!」

車椅子を押してとぼとぼ歩いても、施設からマンションまで15分くらい。
2人であれこれとしゃべりながら、マンションへ向かいました。

駅ビルのエレベータを使って線路の反対側に渡り、また別のエレベータでビルから出なければなりません。

「わし、ひとりでは行かれへんなぁ。こんなん、わからへん」

マンションへ向かう歩道沿いは幹線道路で、車がぶんぶん走っています。昔を思い出し、トラック野郎の血が騒いだようです。

「1日になんべんもここ走って、工場に物を運んだぞ」

マンション前に到着すると、すぎやんはマンションを見上げてひとこと。

「へぇ〜、でっかいな」

マンション入口で非接触キーを使って自動ドアを開けると「へぇ〜」、エレベータに乗ると「このエレベータ、速いなぁ」と感心。
だけど、表札に関してはお小言を頂戴しました。

「これ、あかんな。紙やんけ」
「別にかまへんやん」
「こんなもんくらい、こしらえろや」
「結構高いんやで、これ」

「このまま入ったら汚れるやんけ」と入るのをためらっていたすぎやんに、「そんなん、あとで掃除したらええんやから」と言って、部屋に上がってもらいました。

「思った以上や。へぇ〜」
「そやから昔の文化住宅とは違う、って言うてたやろ」
「静かやのう」
「上の音とか、全然聞こえへんで」
「暴れとっても聞こえへんのか」
「うん」

それからすぎやんは、あちこちチェックし始めました。

「炊事場も大きいてええな」
「インターホンに顔がうつるんか。へぇ〜、それやったら用心ええな」
「わし帰ってきたら、どこで寝るんや? この和室か? 仏壇の前でか? おかん(すぎやんの奥さん)の写真、あるやんけ。こんなとこ、いやや。よう寝んわ」

そして、「ええ買い物やったんかもしれへんな。納得した、得心した」と言っていました。
帰る間際には、「今度はビール、用意しといてくれよ」とおっしゃってました。

施設まで車椅子を押して戻ると、すぎやんは「連れてってくれて、おおきに」と言ってくれました。
長年の約束をやっと果たせたような、そんな気分でした。




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