2005年2月2日のすぎやん

2005年2月2日のすぎやん


病室に入ると、すっきりした顔のすぎやんが、ベッドで体を起こしていました。

入院以来ずっと続いていた持続点滴も、鼻のチューブもなくなっていました。重湯やけどご飯が食えるようになった、便もちゃんと出始めたと、機嫌よくしゃべっているすぎやん、先日の喧嘩のことは一言も言いません。

すぎやんが目下の所一番喜んでいるのが、施設のスタッフ達が頻繁に見舞いに来て下さること。後日、見舞いに来てくれたスタッフの一人から、こんなことを聞かされました。

「『娘と喧嘩した』って、言うたはりましたよ」
「あ、そうですか。恥ずかしいですわ」
「喧嘩したらあかんやん、って言いましたら、『わしがいらんこと言うから、怒らしてしまうんや』っておっしゃってました」

こんな風に喧嘩ばっかりしているのに、施設内ではなぜか「仲のいい親子」と見られているみたいです。父と娘があほなことを言い合っているというのが、珍しいのかもしれません。




2005年2月5日のすぎやん

2005年2月5日のすぎやん


病室に入ると、すぎやんがおろおろしています。見ると、食器やトレイ、ご飯やおかずが床に落ちてしまっています。
車椅子に乗って食事している最中、誤ってひっくり返してしまったみたいです。
「ええ時に来てくれた。助かった」と盛んに言っています。

たまたま通りかかった看護師さんが発見してくれたようなのですが、忙しさに紛れて片付けをすっかり忘れてしまったようでした。詰所までわざわざ呼びに行くのも面倒なので、私が掃除してしまいました。
ちょっと当てつけがましく、洗面所までぞうきんを洗いに何度も往復していると、掃除が終わった頃にようやく思い出して部屋まで来てくれました。

すぎやんは、「先生はええけど、ここの看護婦はあかん。施設の方がええ」とぶつぶつ怒っています。確かに、先生は病状を伝えるために時々電話を下さったけれど、看護師さんとはほとんどしゃべったことがありません。話し掛けられることもありません。何というか、愛想が良くないです。

リハビリ(マッサージ)も始まり、退院する日も近づいている気配です。




2005年2月7日のすぎやん

2005年2月7日のすぎやん


病院に行く前に、施設に立ち寄りました。
施設から病院までは救急車で行ったため、すぎやんの足である車いすは施設に置いたままです。退院までに運ばなければいけないのですが、私は車を持っていません。どうやって運んだらいいですかねぇと相談すると、お見舞いがてらに運びましょうとおっしゃって下さいました。ありがたいお申し出にお礼を言い、お言葉に甘えることにしました。

その後、病院に行ってびっくり。すぎやんってば、荷物をすっかりまとめあげているのです。

「どないしたん? 部屋の移動?」
「ちゃう。もう帰るんや」
「はあっ?」

よくよく聞くと、リハビリの先生が「もう終わり」とおっしゃったらしいのです。おそらくリハビリの先生は、「ここでのリハビリは、もう終わり」とおっしゃったはずなのですが、すぎやんは勝手にすぐ帰れると思いこんだのです。
あまりの早合点に、頭がふらふらになりました。

「物事には順番ってもんがあるんやで。今日言うて、今日は帰られへん。病院から退院の話もまだ来てへんし、退院となったら手続きもあるし、お金も払てへんで」
「そうか、わし、あほやな。施設(からの迎え)の車がけーへん(来ない)と、外ばかり見てた。だいぶぼけがまわってきたな」

そんな私達の様子を見ていた、向かいのベッドのおじさんも笑っておられました。

まとめられた荷物を元通りにしている私を見て、「先が思いやられるな」と言い出したすぎやん。「そんなん、自分で言うな」と笑う私。
もうちょっと落ち着いてほしいものです。

家に戻ると、病院から退院許可が出たのでいつ戻られますか、と施設から連絡がありました。12日がちょうど往診日なので、その日にされたらいかがですかとのことだったので、福祉タクシーを手配して段取りを整えました。




2005年2月11日のすぎやん

2005年2月11日のすぎやん


もうすっかり元気になったすぎやん、向かいのベッドのおじさんと仲良くなったようです。このおじさん、手術の詳細が決まらないから暇だとおっしゃっていました。

明日退院とのことで、すぎやんは既に軽い興奮状態に陥っています。同じ事を何度も何度も繰り返します。
また、入院した時のことをもうほとんど忘れかけている様子で、「わしはそんなに悪かったんか」と言っています。それに、施設から放り出されて病院に来たと思いこんでいます。
何だかよくわかりません。

明日の荷物が軽くなるように、衣類の大半を先に施設に運ぶことにしました。でも、何があるかわからないのでパンツとシャツとタオルを各1枚だけ残しておこうとすると、すぎやんからつっこみが入りました。

「全部持って帰れや」
「何が起こるか、何を起こすかわからへんから、一応置いとく」
「わしはまだそこまでぼけてへんぞ」
「いーや、わからん」
「そんなに信用ないか」
「ない」

隣のベッドに誰も来てほしくないため、次々に入ってくる運び込まれてくる患者さんのベッドの位置を看護師さんに指示したり、カーテンを勢いよく開け閉めする人に怒鳴ったり、トイレで用を足している最中にドアをノックする人に怒鳴ったりと、元気になった頃から暴れん坊将軍ぶりを発揮していたみたいです。恥ずかしい・・・。




2005年2月12日のすぎやん

2005年2月12日のすぎやん


駅から出ている送迎バスに乗り込んで、病院に向かいました。
9時半頃に病院に入り、ベッド周りを片付けて荷物をまとめ、精算も済ませ、10時半に迎えにくるタクシーを病室で待ちました。

詰所に挨拶して薬や書類を受取り玄関まで行くと、ちょうどタクシーが到着しました。車いすごと乗れる福祉タクシーをお願いしたので、運転手さんも手慣れた様子ですぎやんを乗せてくれます。
少し寒かったのですが天気はよく、土曜日だったので渋滞もなく、スムーズに施設に到着しました。
スタッフの皆さんが、笑顔で「すぎやん、おかえり」と出迎えてくれました。

部屋に入るなりトイレに座ったすぎやん。
「戻ってこれたのが、一番うれしい」と、何度も言っていました。

夕方、いつも施設に往診に来てくださる先生が来られました。元気になったすぎやんの様子を見て、先生はとても喜んで下さっていました。
何度も開腹手術をしているので癒着が発生しやすいところへ、風邪がきっかけで腸閉塞が起こったのではないか、普段通りの生活をして(つまり、以前通り発泡酒を飲んでも)大丈夫とのお話で、ほっと一安心。
本人が申告しないので、「頭が痛いらしいです」と先生に言うと、血圧を診て下さいました。結果、上が158、下が88。
興奮しすぎです。

先生から入院先の病院の感想を聞かれたすぎやん、こんな風に答えました。

「ようしてくれる若い子もいたけど、看護婦が偉そうにしてますわ」

実は、すぎやんが入院していた病院は、とある公務員向けの病院でした。先生がそのことを言うと、さらにすぎやんはひとこと。

「そやから、偉そうにしとったんやな」

やれやれ。




2005年2月20日のすぎやん

2005年2月20日のすぎやん


用事を済ませて施設に到着したのは、夕方の5時半頃。ちょうど夕食が始まる時間帯でした。

廊下で、食事するために食堂へ向かうすぎやんとすれ違いました。顔色は少し白くなりましたが、体調はよさそうな感じでした。
「ひげそって、さっぱりしたやん」と言葉をかけたのですが、反応がありません。いつもジーンズ姿の私ですが、この日はスカートをはいていました。だから、全く気付かなかったみたいでした。
食事を終えて部屋に戻ってきたすぎやん、私がいるので本気でびっくりしていました。

「声かけたのに、無視したやろ。気、付かんかったやろ〜」
「そんなこと、ないわい」

必死で否定していましたが、気付いていればもっと早くに部屋に戻ってくる人です。夕食をゆっくり食べて帰ってきたことからも、気付いていないのは確か。
ちょっと淋しかったです。




2005年2月27日のすぎやん

2005年2月27日のすぎやん


すぎやんが、亡くなった母のことを時々口にするので、提案してみました。

「写真、持って来たろか?」
「おかん(私の母、つまり、すぎやんの奥さんのこと)のかい。いらんわい。化けて出よる。こわい」
「なんやったら、遺影を拡大して壁に貼ったろか?」
「あほ!」

すぎやんは昔から写真があまり好きではなく、写りたがりません。それでも、昔はよく母がカメラを持ち歩いていたので、写真自体はたくさん残っています。
何かいい写真はないか、探してみようかと思っています。




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